この前とあるツイートを見た。
このツイートを見て考えたことについて書いていく。
世の中、働き方改革・ワークライフバランスが叫ばれ続けている。
特に若い世代は決められた時間内で成果を出すことを求められる。
昔のように圧倒的に時間をかけて働くことは全く推奨されていない。
これには私は賛成である。
効率化できることはした方がいいし、過去の実績からあまり意味のない業務をなくすことは必要だ。
ただ、ここで立ち止まって考えてみよう。
効率よく働く、意味のない業務は減らしていくというのは、大前提の話ではないだろうか。
仕事を効率化し、無駄なことをやめて、本当に必要なことにフォーカスする。
これは当たり前。できていないことの方がおかしい。これができてようやくスタートライン。
では、スタートラインに立った今、成果を上げるためには何が必要なのだろうか?
それは時間をかけることではないだろうか?
冷静になって考えてみよう。
全員が等しく同じ努力を同じ時間したとすると多くの場合は、その時点で経験や実績がある人物の方がアウトプットが良くなるだろう。スキルも身につく。逆にその時点で経験や実績がない人物にはその仕事で重要な役割を持つ業務に専念できる機会は与えられにくいだろう。
同じ努力を同じ時間したとするならば、上位層の成長スピードは相対的に高まっていく可能性が高い。
なぜなら、上位層と下位層の「努力」の基準値は大きく異なるからである。同じ努力(ここでは労働時間とする)と一言にいってもその中身は別物なのである。
プロが使う1時間と若手が使う1時間はアウトプットの質が違うのは明らかである。特に単純労働ではない、知的労働こそその差は大きく出るのではないだろうか?
つまり、経験もスキルもないような状態では「時間」が本当に貴重なリソースなのである。その時間というリソースを投下できるかどうかで成長の幅は大きく変わってくるはずなのだ。
時間をかけたくない。それはそれでよい。
決められた時間だけ使う。これも間違いではない。
しかし、何も持たない自分が成果を上げようと思うと投下できるリソースは時間だけだということを肝に命じなければならない。
ここからは、もう一歩踏み込んで時間というリソースを活用する上で重要な概念を見つけたので紹介しておく。
BtoBのプロマーケティング集団である「才流(サイル)」の栗原さんの記事である。
まずは結論から。
栗原さんによると生産量(アウトプット)を増加させるための公式は
「労働時間」×「集中力」×「継続日数」
とされている。
つまり、いくら労働時間をかけたとしても集中力がなければ意味がないし、継続できなくても意味がない。
この3つの要素をどのようにコントロールするかで生産量は決まるのである。
では、ここからはもう少し深堀をしてみる。
生産量を増やすための重要な要素として「労働時間」は必要なのである。
しかし、この公式で重要なのは
・集中力
・継続日数
である。
まずは、集中力から。
例えば、1日16時間働いたとする。その際のアウトプットはどうだろうか?もちろん出力される総量は増えるだろう。しかし、アウトプット量は時間とともに逓減(ていげん)していくことは間違いない。
逓減とは「次第に減ること」を意味する。
つまり、最初の3時間のアウトプットと最後の3時間のアウトプットではアウトプットの量は減っているはずである。なぜなら集中力が続かないからである。
もちろん無限に集中できるという人がいればこれが関係ないだろうが、多くの場合はそうではないだろう。
筆者の経験上、労働時間を長くしすぎると、いつもは使わない時間の使い方をすることが多くなってくる。例えば、明確な目的意識もなく同僚と話したり、いつも以上に情報を集めまくったうえでアウトプットしようとしてみたり。
これが集中力を欠いている状態であり生産量を減らす原因となるのである。
次に継続日数である。
仮に1日16時間、集中力フルマックスで働いたとしよう。
2日や3日は可能かもしれないが、これを1か月続けるのは至難の業だろう。
これも筆者の経験の話になるが、高付加をかけすぎるとそれによる反動が大きく、その後失速してしまい最終的なアウトプットにはあまり差が出ない。
わかりやすく例えるならば、ランニングで最初に心拍数を上げすぎると結果的に長くは走れない。心拍数をほどほどにして一定ペースで走り続けるほうが同じ時間でもより遠くまで走れる。
どうだろう、「継続できるかどうか」というところまで目を向けているビジネスマンはそう多くはいないのではないだろうか?言い換えると長期的にアウトプットを出し続けるという視点を持っているかどうかということである。
では、どうするのが最適なのか?という話である。改めて整理すると生産量を決める要素は
・労働時間
・集中力
・継続日数
である。
筆者なりの考えだが、労働時間と集中力は反比例する場合が多いだろう。つまり、労働時間はいくらでも長くすればいいというわけではない。ある程度の時間以上は時間をかけるのはむしろ非効率。
となると、カギを握るのは継続日数である。これは目標を達成する、成果を出すための計画を現実的な範囲でしっかり立てられるかが影響してくる。
まとめると、何も持たない自分が成果を上げるためのポイントは下記である。
「集中力が持続できる範囲内で、労働時間は他者と相対的に比較して長くなければいけない。そして、それを持続可能な状態にするためには成果を出すまでに計画作りが重要である。」
働き方改革やワークライフバランスが重要視されている昨今である。
この前も海外の女性が「9時-17時(時間は正確ではない)の仕事をしているのは正気の沙汰じゃない。そんなことをしていると自分の好きなことができない」というようなことを話し、バズっていた。
誰もそれを強制していない。自分の好きにすればいい。別に仕事がすべてじゃない。
良い悪いではないが、なんとなくワークライフバランスは重要だ!と思っているだけではその先はないだろう。
仕事なら仕事、私生活なら私生活というようにどこに「バランス(比重を置くのか)」を明確にしてこそのワークライフバランス。
バランスがどこにあるのかも自分で認識していないとつらいものがある。