MENU

信頼を得るための会話にテクニックはいらない

初めて話をする相手と信頼関係を築きたいというニーズは消えることはないだろう。

私自身、「初めて会う相手と短時間で信頼関係を築いて会話を進める」方法を意識してきた。ここではよりイメージがつきやすいようにもう少し具体的に説明したいと思う。

私は以前まで中小零細企業を対象として業種特化のコンサルタントをしていた。「コンサルタント」と聞くと何か華やかなイメージがあるかも知れないが(私も昔はそう思っていた)、全くそうではない。私が所属していたところはビジネスモデルの構築から集客・営業・コンサルティングを全て自分で行わなければいけない。

例えていうなら、お客さんに自分から営業するし、設計図も作るし、建物も自分で建てるし、アフターフォローや定期メンテナンスもする大工さんのようなものだ。

要はめちゃくちゃ大変。

その中でも群を抜いて大変だったのが、「集客して営業して契約する」ことである。

どれだけ素晴らしいビジネスモデルがあったとしてもそのビジネスモデルに取り組んでいただける経営者の方がいなければ自分の粗利につながらない。

では、経営者の方に契約いただくためには何が重要なのか?

それは、「信頼」である。

そもそもコンサルティングサービスというのは無形商材である。有形商材のように見て触って聞いてができるようなものであれな品質というものは契約する前からある程度知ることができる。しかし、コンサルティングサービスはそうではない。

だからこそ、自分自身を経営者の方に信頼してもらわなければ契約はいただけない。

では、信頼していただくために何が重要なのか?

先ほどあげた例では経営者を相手としていたが、この信頼を得る相手の範囲というのは仕事や恋愛、友達なんでも良い。

「信頼」を得てその後の会話をより自分の意図に沿ってすすめやすくなるために何が必要なのか。

よくあるのは「まずは自己開示をしよう」というものではないだろうか?

Chat gptに「信頼を得るための会話術のポイント」を質問してみると下記のような回答が返ってきた。

1. 相手に興味を持つ
2. 共感を示す
3. 自己開示のバランス
4. 相手を尊重する態度
5. 誠実さと一貫性
6. 相手の話を遮らない
7. 肯定的なフィードバック

確かにその通り。と返したくなるような回答だ。加えて、なんとなくどこかで見たことのあるような内容。間違っていないのだろうけどどれも当たり前のように聞こえるし、ちょっと抽象度の高く感じてしまう。

では、ここからはようやく私の完全な主観から信頼を得るための会話を展開するにあたって重要なポイントを記載する。

では結論から。

相手の得意なこと、頑張っていること、誇りに思っていること、成果を上げたことを1つ見つけて「私が知っている中でXXに関してはあなたが1番です」と伝えて、その内容を深掘りすること。

これが信頼を得るための会話術の最重要ポイントであると私は考えている。

もちろん細かな会話のテクニックや外見が重要だという意見もあるだろう。ただし、ここでは「何を話すのか」に焦点を当てているためそれらについては議論しないことにする。

相手の長所を見つけて「自分が知っている人の中ではあなたが1番である」と伝え、話を深掘りしていく。本当にこれだけで信頼の得やすさは段違いである。と私はこれまでの経験から強く思う。

具体例を挙げてみよう。

例えば仕事の場合。円滑に仕事を進めるためにはなんとか信頼を得て良好な関係を築かなければいけない上司がいたとする。

相手の良いところを見つけて1番であることを伝えることは難しく感じるかもしれないが、ポイントは「私が知っている中で1番」と付け加えることだ。

例えば、転職回数がかなり多くジョブホッパーのような上司だったとしよう。そんなときは「〇〇さんはいろんな業種業界を経験されていて、経験値の幅が私が知っている中で1番だと思います。どうやったらそのように幅広い経験を積んで成果を残していけるのですか?」でOK。

別の例もあげよう。本当に普通の人で何も特徴もない上司の場合は「仕事していると苦手のことや失敗をすることも出てくると思うんですけど、常に安定してしごとをされてるのは〇〇さんが私が知っている中で1番です。何か意識していることはありますか?」でOK。

ちょっと劇薬になるかもしれないが、いつもイライラして時には怒鳴るような上司の場合は「社会人になって怒ってくださる上司の方はあまりいませんでした。ただ、〇〇さんは私ができていないことをしっかり伝えてくださるのでいつも成長している実感が湧いてきます。〇〇さんと一緒に仕事をしている今が1番成長機会が多いと思っています」でOK。もちろん、相手が怒っていない時に。

少し例が長くなってしまったが、「自分の見てきた中であなたが1番」というのは案外簡単に伝えることができる。そして、これは嘘にならない。世界で1番であるということをつたえるのは嘘になるが、自分が関わってきた人の中での1番です。とつたえるのは全く嘘ではない。

私の前職時代の話に戻るが、経営者の方に会う前にはそのかたをネット上で調べ上げて相手が最も喜びそうな「1番」を見つけて、初対面の会話の中でさりげなくそれを伝え深掘りするようにしていた。

経営者というのは孤独である。社員から文句を言われることはあっても褒められることはほぼない。仮に褒められたとしても「お世辞」のように感じてしまう。

しかし、様々な企業の経営者を見てきたコンサルタントから「〇〇はあなたが1番です」と言われると嬉しそうにされる方ばかりだった。

これで信頼を得ることができるのだが、副次的な効果もある。それは、「〇〇はあなたが1番です」とつたえると、その1番を自分の強みとして磨こうとすることでそれ自体が企業の文化となり強みとなる場合がある。

それ自体が経営者のやる気の源になるケースをこれまでも多く見てきた。大企業ならまだしも、中小零細企業であれば、よほど時流に乗っていないもしくは商圏が厳しいビジネスでない限り「やり切り力」があればたいていは成長する。その成長エンジンこそがどんな小さなことでも良い「1番」なのだと私は思っている。

信頼を得るための会話というのは、変な小手先のテクニックではなく「相手の良いところを探し、自分が合ってきた人の中での1番を見つけ、それを嘘偽りなく相手に伝える」ということであると私は思う。

Please share!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


Contents